名曲の惑星 聴き猫ブログ

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プロコフィエフ ピアノ協奏曲第3番ハ長調 ユジャ・ワン(p)

プロコフィエフ ピアノ協奏曲第3番ハ長調 ユジャ・ワン(p)
Prokofiev Piano Concerto 3 Yuja Wang

ユジャ・ワンです。日本語的にはユジャ・ワンちゃんというとちょっと変な感じですし、ユジャちゃんというのも、やはりしっくりこないですね。今のところ普通にユジャ・ワンと呼ばれてる状況のようですが、名前からお分かりいたけるとおり北京生まれの中国人で、その後はカナダを経てニューヨーク在住のようです。1987年生まれということでまだまだお若いですし、何しろ美しくて可愛いくて、スタイルも良くてセクシーで言うことなしです。それにピアノまで上手なんですからまさに才色兼備。

当サイト的にはそこが一番重要なんでしょうけど、まあ美人ピアニストなんて今時さほど珍しくもないのですが、とはいえこの人はなかなか味があります。まず経歴として知られているのが、仙台国際音楽コンクール3位入賞と審査委員特別賞(2001年)ですが、現在分かる範囲ではこれくらいのようです。国際的に活躍している若手音楽家としては、正直やや地味でしょうか。しかし言うまでもなく、コンクールも1つのきっかけですし、逆にいうとそれだけでしかありません。本当に実力のある人ならそんなもの必要とせず普通にやっていけるのですし、この人がまさにそうですね。こうした経歴が意外と思えるほどの活躍を現実にしているのですから。

今回はそうした中で、プロコフィエフ ピアノ協奏曲第3番ハ長調ユジャ・ワンが弾いてる動画を前提にご紹介してみます。
プロコフィエフのピアノ協奏曲は全部で5番まであり、中でもこの第3番は特に人気があって演奏回数も多い名曲です。もちろん私も好きな曲で、かなり頻繁に聴くことが多い曲になっています。名曲ということで名演も多いのですが、そうした中でユジャ・ワンもこの曲を得意としているらしく、CDも出ていますし、ネットで見れる動画としてもいくつかの演奏が存在しています。

演奏者の常ですが、回を重ねて何度も演奏していくほど味わいも深くなりますし、普通に演奏として聴いていてもおもしろいものになっていきます。この人の場合はさらにお若いですし、そうした変化というか成長がかなりよく出ていておもしろい部分も多いですね。プロコはそれだけで超難曲ですが、作曲者が高名なピアニストでもあっただけあって作品に余裕があり、ソロがオケを引っ張るような感じで作られているので、少なくともその程度の技量と貫禄がないと曲になりません。

そうした点でもユジャ・ワンは実に爽快。気持ちいいほどあっさりと弾き切ってくれています。自然にテンポも速めで、もともと技巧的な曲を恥ずかしげもなく技巧的に演奏しているのもむしろ素直で感銘を受けます。逆に名曲としてはやや味気ないというか、もっといろいろできそうなところも多いとは思うものの、そうした物足りなさも含めてむしろ新鮮に思えます。

動画としてはYouTubeの方は関連していろいろ出てきます。ユジャ・ワンは何度も来日していて、NHK交響楽団との演奏はテレビ放映もされているのでご覧になった方も多いでしょう。残念ながらそのあたりの演奏はネットでは今のところ見られないようですが、世界各地で活発に公演活動を続けているみたいなので、日本にこだわらずにいろいろな演奏をこれからも聴かせてもらえることを期待していきたいと思います。


https://www.youtube.com/watch?v=KDfGBmbNbMw&feature=youtu.be
YouTube

Prokofiev Piano Concerto no.3 - Yuja Wang &Royal Concertgebouw Orchestra[HD]


http://www.nicovideo.jp/watch/sm15581169
ニコニコ市場

Yuja Wang Sergei Prokofiev:Piano Concerto No. 3 in C major, Op. 26
ユジャ・ワン (pf)
クラウディオ・アバド 指揮
ルツェルン祝祭管弦楽団

ニコニコのアバド盤は第1、第2、第3楽章がそれぞれ別の動画になっていて、環境によってはこういう方が再生しやすいかもしれません。名指揮者アバドの生前の演奏としても価値ある名演です。

吉田秀和さんをしのんで

ETV特集吉田秀和さんをしのんで」 20120601

去る5月22日に逝去された音楽評論家、吉田秀和さんの追悼番組です。

吉田秀和さんといえばNHK FMで放送されている「名曲のたのしみ」ですが、昨夜の放送回では冒頭に女性アナウンサーの声で先生が先月亡くなられた旨が伝えられ、この番組は四月に収録されたものです。と断ってそのまま放送されていました。

そしてあの冒頭、「名曲のたのしみ、吉田秀和」という独特の、あまりにも簡素な出だしでいつものように番組が始まりました。現在はラフマニノフの作品シリーズなのですが、さらにもう一回分の収録が放送される予定のようです。

「名曲のたのしみ」はご自宅で収録されているらしく、朴訥とした語り口の背後では鳥のさえずりなどの環境音も適度に収録されていて、スタジオ録音が主流の現在にあってはかなり独特の世界観が魅力でした。

最近では何ですか、多分CDができるようになって以降だと思いますが、音楽の演奏はやたらと数が増えて、私としても聴くべき作品や演奏がとても多くなり、近年ではむしろ追いまわれるくらいの勢いにさえ感じるのですが、しかし昔はレコードというものはそれなりに高価で、一枚のレコードを大切に何度も聴いていたものです。そんな頃の雰囲気を今も忘れずに感じさせてくれる人だったように思います。

吉田秀和先生といえば私にとってはもちろん物心ついた頃から音楽評論家の第一人者で、その後も常に雲の上の存在でしたが、不死身かと思われた先生もついに本当に雲の上の人になってしまいました。残念ですがこれでお別れです。ご冥福をお祈りいたします。

「ららら♪クラシック 」ベートーヴェン「英雄」

NHK「ららら♪クラシック 」ベートーヴェン「英雄」
ロジャー・ノリントン指揮N響という注目の演奏。FMでは生中継でもちろん全曲でした。

ノリントン古楽器によるロンドンクラシカルプレイヤーズの録音が斬新でしたが、その後はモダンオーケストラの指揮をするようになり、N響ももちろん現代楽器での演奏です。しかしその響きは従来のものとはかなり異なり、やっぱり斬新で爽やか。聴いていて気持ちがいいです。

千葉県少年少女オーケストラ 第16回定期演奏会

千葉県少年少女オーケストラ 第16回定期演奏会が行われ、千葉テレビでもその録画が放送されました。番組自体が一時間枠なので、プログラムの一部だけしか放送されませんでしたが、それでも出演した河村尚子さんや指揮の下野竜也氏のインタビュー、そしてリハーサル風景なども交えて紹介されていました。

曲目は前半がブラームスのピアノ協奏曲第1番で、後半がバルトーク管弦楽のための協奏曲」です。いうまでもなくどちらも難曲の定番みたいなもので、ブラームスの方は比較的初期の大作ですが、交響曲第一番にも通じる壮大さと切れの良さが要求され、早い話が音が細かくて難しい譜面です。

ソロの河村尚子さんですが、若くて美人ということもあり、元々は当時流行っていた(と言われている)ジャパンクラシック系のアイドル路線に混じっていた感じでしたが、その後はあっさりと雲から抜け出して第一線で活躍されている若手の大物ピアニストです。

曲はブラ一(ピアノ)ですが、この重厚さにもなぜか普通に合っていて妙に違和感がありません。この曲、その気になればかなり熱狂的な演奏もできますし、そういうのもまた珍しくないのですが、しかし若さを盾にそうした安易な華やかさには走らず、どちらかというと質実剛健というか、作品の本質を重視した内面的な演奏だったと思います。

こういう手堅さは指揮の下野竜也氏の路線でもあるので、そうした意味で今回は芸風が合っていたと思います。バルトークのオケコン(管弦楽のための協奏曲)もそうした手堅さに満ちた解釈で、もともと祝典的な雰囲気のある曲ですから、やりようによってはかなり派手に鳴らすこともできるのですが、やはりそこは無理にいじることなく、より緊密に楽譜の路線を尊重した現代的な演奏を駆使していた点が印象的でした。

少年少女オーケストラというくらいですからもちろん若い人たちですが、言うまでもなく演奏が若々しいだけでなく、素直に上手ですよね。よく言うことですが子供は上手です。なぜかって、大人じゃないからです。子供は言われたとおりにちゃんと練習しますし、自分で適当に考えて、言われたこととは別のやり方をして変な癖がついたり、あれこれ言い訳して楽をしたりしませんから。芸の世界にはこの素直さが必要なんです。

普段は老練な演奏家たちの円熟した演奏を聞くことが多いのですが、時にはこうした若々しい演奏で未来の音楽に思いをはせてみるのも悪くはありません。


千葉県少年少女オーケストラ 第16回定期演奏会
2012年03月18日(日)14:00開演 千葉県 千葉県文化会館・大ホール.
指揮:下野竜也 ピアノ:河村尚子
ピアノ協奏曲第1番/ブラームス
管弦楽のための協奏曲/バルトーク

ふるさと納税制度

東日本大震災の後でにわかに注目されるようになってきた「ふるさと納税」制度ですが、制度促進のために設けられた還付制度により、上手に利用すれば税金が戻ってくる、節税効果もあります。

そのため震災後は被災地支援のための様々な寄付が実用化されていますが、そうした中で用途を限定した寄付ができる特性を生かした使い道も注目されています。

今回はテレビ東京ワールドビジネスサテライト」でその一部が紹介されていましたが、ここでは大阪の名門「大阪市音楽団」の活動が紹介されていました。橋下市長誕生以来なにかと話題を集める大阪ですが、昨今の景気低迷や民主党誕生時に盛り上がった事業仕分けの影響もあり、音楽関係はかなり逆風に晒されていることは言うまでもありません。

まあ深い話はしませんが、何しろ芸術ですから、採算性やコストパフォーマンスで言われれば何も言い返せませんし、仕方のないことた゜とも思いますが、しかしそうした中でも文化や芸術的なものを守って行こう、残していこうという人も少なからずいることは確かだと思います。

ローザンヌ国際バレーコンクールで優勝した菅井さん

スイスのローザンヌ国際バレエコンクール第40回大会の決勝が4日行われ、和光高校(東京都町田市)2年の菅井円加(すがいまどか)さん(17)(佐々木三夏バレエアカデミー所属)が1位になり優勝した。
(2012年2月6日 読売新聞)

凄いです。日本バレエ界の新たなスターです。期待したいですね。楽しみです。

マーラー交響曲第8番「一千人の交響曲」 シャルル・デュトワ

2011年12月3日、N響定期のAプロ。マーラー交響曲第8番「一千人の交響曲」です。没後100年の記念企画ということですが、N響としては「19年ぶり三度目」とのこと。
「え、でもこの間やったじゃない、若杉さんの指揮で・・・」と思ったのもつかの間、前回は1992年の若杉弘指揮ということですから、あれからもう19年、つまり20年近く経っていたんですねえ・・・orz...

でもその若杉さんの指揮した千人のことも、まるで昨日のことのように覚えているという方も結構いるのではないでしょうか。私もばっちり二日間とも通って聴いてきましたよ。そして見事に二日間ともxxxがxxxをxxxしていたことが、結構当時は話の種になっていたものです。懐かしいですねえ・・・って、やっぱり随分昔のことになってしまったのですね。

そして今回の公演、指揮はマーラーを苦手にしたいる(?)デュトワ先生ですが、これまた期待に応える力強い名演だったと思います。デュトワvsN響は結構当たり外れが激しいのですが、今回は良いほうに転がってくれたようで、声楽も含めかなりハイレベルの戦いを繰り広げてくれました。

「第1715回定期公演 Aプログラム」

マーラー 交響曲 第8番 変ホ長調「一千人の交響曲

指揮|シャルル・デュトワ
ソプラノ|エリン・ウォール、中嶋彰子、天羽明惠
アルト|イヴォンヌ・ナエフ、スザンネ・シェーファー
テノール|ジョン・ヴィラーズ
バリトン|青山 貴
バス|ジョナサン・レマル
合唱|東京混声合唱
児童合唱|NHK東京児童合唱団

http://www2.atpages.jp/mkvc/mkvcd/Mahler/m8/index.htm